動画元年の2016年、自撮りも動画化したようなのでスナチャのやっと来たキャズム越えを調べてみた

1ヶ月くらい前から、IsntagramやTwitterでティーンや芸能人がこぞってシェアしている動画があります。

 

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実はこれ、何年もの間「日本にもブームがくる」と言われ続けていた米国のメッセージアプリ、「Snapchat(スナップチャット)」で作られた動画なんです。スナチャは長らく、「数秒で消える画像&メッセージ送信アプリ」として若者が好むクローズドなコミュニケーションの象徴のように語られていましたが、昨年秋に自撮り動画を加工する機能が追加されたようです。

 

自撮り動画元年となった2016年

自撮り動画を加工するアプリは、この他にも「SNOW(スノー)」などがあり、こちらを使った動画や写真も連日Twitterで大量にシェアされています。今までも、Instagramでは自撮り動画を見かける機会が多くありましたが、アイドルなどを除いたほとんどの人は、風景込みの「引き」で撮ったものを載せていました。自分の顔をアップで撮り、フィルターで加工した動画は、今年に入ってから一気に様々なSNSで見かけるようになりました。

2016年は、IT業界では「動画元年」と言われていて、各IT企業が、動画を配信及び作成できるアプリを提供したり、動画広告を作ったりしているようですが、どうやらその波は、エンドユーザーたちの自撮りにも及んでいるようです(どっちが先やねん)。

 

動画加工機能が壊した越えられない壁

スナチャのこの動画加工の新機能は「Lenses」といって、2015年9月のアップデートの際に追加された機能のようです。この新機能追加に伴ってアプリのDL数そのものがどれくらい増えたかはわからなかったので、Googleでクエリ「スナップチャット」が検索された回数を調べてみました。

 

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2015年12月から爆上がりしているようですね。2014年の頭にも小さく増えているようだけど、今回のブームとは比べ物にならない程度です。

 

「アメリカでは大人気!」「ついに日本でもブームが!」と長年言われてきたスナチャが、このタイミングでようやくキャズムを越えられたのは、自撮り動画機能でやっと他所のSNSで拡散できるようになったからでしょう。今まではメッセージアプリという特性上、既存ユーザーの「友達の友達」くらいまでしかリーチできなかったけれども、自撮り動画加工という機能を加えたおかげで一気にソーシャルの波に乗って広まった。Instagramで動画を共有しまくる文化の土壌ができていたこと、若い世代が閉じたコミュニケーションに逃げたがっていたことも大きい。 流行にガンガン乗って機能を変えていくことも、大事なのかもしれないと思いました。

 

写真よりリアルに近いから、動画はプリクラ的

ところで、顔に犬のフレームがつくというポイントだけを見ると、なんだか懐かしい気がしてきませんか? そうです、アラサー世代にも馴染み深いプリクラの特徴です。

写真の自撮りのなかには、スタンプを使ったものはあまり見かけられませんでした。たしかに、動き無しで猫耳を付けたりすると違和感が強いですし、なんだかナルシストっぽくて恥ずかしいですよね……。ところが、動画の自撮りでは、フレームが大いに活用されています。

動物の耳に動きがつくと、とにかくかわいい。しかも、動画って自分の顔を見せるというよりは、より生身の姿に近いため、リア充感をアピールするという側面が強いですよね。