Forever21とゴシップガールの日本上陸が同じくらいで馬鹿みたいにカチューシャが流行ったあの頃

Forever21原宿店のオープン日は、2009年4月29日。なんとドラマ「ゴシップガール」の「スーパードラマTV」放送スタート日と2週間も離れていない。地球規模でのファッションカースト最高位の大国、アメリカから、ものすごくBIGでHOTな流行たちが一気に押し寄せた時代だった。もしかすると、あれがアメリカによる最後の文化的進撃だったのかもしれない。

 

当時、JK1という最もトレンドとファッションに多感なお年頃だった私は、おそらくどちらの情報も『ViVi』で入手していたような気がする。同級生たちはティーン誌ばかり読んでいたので(いやそれが普通だよね)、テレビのニュースで取り上げられるようになるまでなかなか話が通じなかったことを覚えている。

 

その頃のファッション誌では、ドラマのなかで主人公のセリーナがつけているスカーフか、その親友ブレアがつけているカチューシャのどちらかが、おしゃれパーソンの証であるかのように描かれていたような気がするんですが、どうでしょう(覚えてる人は「gossipgirl カチューシャ」で画像検索してみて!懐かしすぎて震えてくる!)。

 

 

今振り返ると、文化の中心があったあの当時ならではの、 摩訶不思議な体験をしていたと思える。今はまず、「これさえ押さえておけばOK!」 って言えるような唯一無二の流行がない。だって同じくらいの年齢の人ですら、ゆめかわいい系もいれば大人かわいい系もいる、PLST着ている人も WEGO着ている人もsnidel着ている人もMarc着ている人もJEANASIS着ている人もWILL SELECTION着ている人もいる。エミリアウィズ着ている人だっている(知らない人はぜひググってみて欲しい)。しかもその人たちだって、ワイドパンツ履いてる次の日にチェリー柄ワンピを着ていたりする。日によってファッションのルールも精神も変わる。

 

そうなってくると、流行は多元的なものになって、複数のものがいくつも同時に流行る形になる。ダニエルウェリントンの時計をRon Hermanのカットソー袖から覗かせている彼女の隣にいる人は、ファーサンダル履いた足で歩きながらbubblesのiPhoneケースを握っている。そろそろリズリサのうさ耳がついたやつに買い換えたいと思っているかもしれない(たぶんもう売り切れているはず)。

 

アメリカ信仰みたいなものも、だいぶ崩れてきた。ごく少数の限られたセレブに憧れるんじゃなくて、ストリートにいるあの子とあの子とあの子とあの子をフォロー、お気に入り。何人だかわからないけどフェルナンダ・リーが大好き(国籍はオーストラリアらしい)。アリアナグランデ? 歌上手いと思うよ。アメリカ文化が大好きな子は今でもいるから(主にダンスサークル)、そういう子たちが夢中になってる存在だということは知ってる。

 

情報の発信量と方向が増えると、文化の数もその分だけ増えるということはまぁ当たり前ではあるけれども、自分が若いうちに身を持ってそれを体験できるというのはなんだか大きなことのように感じてしまう。