老害がカゲプロに接触したら結構大変だった件

流行ものが大好きなので、ナウでヤングなティーンに大人気というカゲプロに片足を突っ込んでみた。楽曲、小説、アニメの三つをつまんでみたところ、自分の老いを体感してしまった。

 

ニコ動で楽曲を"見る"

まず最初に、カゲプロ好きの人からニコニコ動画で見ておくべき楽曲リストを教えてもらった。カゲプロ厨にとっては楽曲が原典であるという旨のなにかをネットでみたので、カゲプロ入門はここからと思っていたからだ。しかし、残念なことに結構つらかった。というのも、私が若くないからだ。

カゲプロ楽曲を再生するときは、音楽としてメロディや音を聞くことははもちろんであるが、物語を理解するために歌詞とMVを解釈しなくてはならない。しかも、他のユーザーの解釈や論争がコメントとして流れ続けている。つまり、目と耳と頭を全部同時に使う必要がある。これはだらだらものを眺めることを基本としているおばさんにはちょっと難しかった。若い子に比べて、コンテンツにのめり込む際のエネルギーが圧倒的に足りていないことを思い知った。

 

ボカロは楽器だった

さらに、私の耳はボカロに慣れていないという問題があった。ボカロは基本早口で、ちゃんと集中して聞いていないとなに言ってるかぜんぜんわからない。カゲプロにおいてボカロは人間の声の代替ではなく、物語を表現するための楽器の一つとして考えるべきなのかもしれないと思った。そうすると音楽そのものの概念も変わってくるんだろうな。

 

小説が一番良かった

他にもアニメ、小説をつまんでみたけれど、一番自分の性に合ったのは小説「カゲロウデイズ」だった。といっても、LINEマンガでコミックだと思って買ったら小説だったという話なんだけれども。

一巻はいかにもラノベっぽい、冗長な表現が多くて少し困ったけれど、巻数が増えるごとにどんどんテンポよく読みやすくなっていった。物語が進むにつれカゲプロの世界観全体がわかるようになるから、というのもあるのだろうけど、小説としての表現が巧くなっている気がした。思えばこれは、連載漫画にもよくある話である。作者は専業(?)の小説家ではなく、原案者でボカロPのじん(自然の敵P)さんとのことなので、だんだん彼の小説家としての能力が高まったということなのかもしれない。

ちなみにこのじん(自然の敵P)さんは、アニメの脚本も書かれているそうなのですごい。世界を作れて曲が作れて文章が書けるって、チートじゃん。

 

あんちょこ"ピクシブ百科事典"

実はこの小説「カゲロウデイズ」を読む間にも、ピクシブ百科事典をあんちょことして利用していた。複数の過去回想が進んでいき、いつまでたっても物語全体を把握できずもどかしくなってきたからだ。ピクシブ百科事典のカゲプロ項は大変充実していて、正直最初にこれさえ読んでおけば大丈夫というレベルだった。

カゲプロは、数多くの考察がなされている割に、まとめサイトが見当たらない。メインターゲットである中高生が使いやすいサービスに情報が集められているようだった。

 

カゲプロ最高

そんなこんなで結構大変だったカゲプロだけれども、逆に言うとわざわざ老いを実感しながらでも摂取する程面白い物語だった。まだまだ続くプロジェクトらしいので今後も楽しみだ。ただちょっと、一人で若い子のエネルギーについていくのは大変なので、同年代や上の世代の人も齧ってみて欲しいと思った。